<人生の最終章は希望がたくさん溢れているのよ>
エピローグドレスをオーダーして頂くためのサロンですが、ドレスだけではなく、
様々な試みもしていきたいと考えていました。
最初はドレスを用意するのと同時に、お別れに際して必要なモノをリストアップしていきます。
・ドレスと共に装花やアクセサリーも選んでいきたい。
・晴れやかに笑っている写真を遺影として用意したい。
・私の葬儀に来てくれた人に、あなたと知り合えてどれだけ幸せだったかを
ありがとうと伝えたい。
それを映像で流したい。
・納骨のあと、あらためて、親しかった友人に届くようにお礼状を送りたい。
・私が亡くなったときに残された人がいろいろと困らないようにエンディングノートを
記入しておきたい。
サロンのオープンを決めたときは、このように、ドレスを着用する場面で必要なモノを
考えていました。
写真や映像は、今まで一緒にやってきたプロのカメラマンやヘアメイクにお願いできますし、
お礼状のセッティングなどにもいろんなアイデアがあります。
それで、美しいエピローグを考えていけると思っていたのです。
ウエディングドレスを選ぶサロンと、それを演出をするところと
あまりかわらない感覚だったのです。
私のつくるドレスは個人のお客様が対象なので、情報は一般の人の雑誌やテレビなどで
伝えたいと思っていました。
その上でお客様と直接お話をして、ドレスを製作して納めます。
でも実際はこのドレスを着用するときに圧倒的にお世話になるのが、葬儀社です。
亡くなる前にあらかじめ死装束を用意する事は、実際はほとんどありません。
亡くなったあとにご遺族が葬儀社の用意してくれたカタログから、
棺桶や骨壺と一緒に選びます。
もしかしたら、その他一式でセットになっていて、実際に
死装束を選ぶこともないかもしれません。
または、お手持ちの衣類の中から着せてあげたい服を選ぶこともあるでしょう。
実際はどのようにすすんでいるのか、葬儀社に頼んでしばらく研修をさせてもらおうかと
悩んでいたところ、葬儀業界の研修がありました。
「葬儀の事前相談」に関するセミナーです。
葬儀のプロの人が受ける研修です。
私のドレスも事前に用意するモノですから、そこに何らかのヒントがあると感じました。
セミナーを受けて思ったことは、葬儀社自体がまだ事前相談に慣れていないので、
お客様にもセットプランを提案する消極的な言葉しか言えないのです。
それなら、生きている本人がプランを選ぶのか、
亡くなったあとに遺族が選ぶのかだけの違いです。
また、葬儀をお願いする方も知識が少ないので、「このあたりの無難なもので」とか、
「恥ずかしくないようにこのあたりのプランで」と、大半の人が選んでいるのでしょう。
自分らしい葬儀をしたい。
埋葬も夢があって・・・・と思っていても、情報が無 く、判断することも出来ない状況で、
どのように葬儀社に伝えればいいのか、困っているのでしょう。
もしくは、本人は周りに言うだけ言って亡くなってしまう ので、
ご遺族がバタバタと時間のない中、要望に添う葬儀を試みるのでしょう。
どうすれば前もって本人が葬儀や埋葬の準備をすることが出来るのでしょうか。
ドレスとは離れていきましたが、新たな課題に出会うことになりました。
私は以前、友人の石材店が展開する手元供養のプロデュースを手伝っていまし た。
そして埋葬に関して樹木葬や海洋葬、宇宙に葬るなど、本やインターネットで調べ、
展示会にも行き、明らかに今までの日本と葬儀や埋葬の意識が
変わって きていることを感じていました。
しかし、その情報を集めることがとても大変でした。
私は仕事なので日中の大半を使って本を読み、ネットで調べ、
地方に出張に行くことが出来ます。
ですから、普通の生活の中で情報を集めることが、どれだけ大変な事かわかります。
まして、パソコンを使わず、本や雑誌、新聞や広告に頼っていては
見つけることも並大抵ではありません。
葬儀や埋葬なども含めた自分のエピローグ(最終章)を考えていったときに、
実は誰でも最期のドレスだけを考えている訳ではありませんでした。
エピローグドレスを前もって用意するほど意識の高い人は、
すべてのことに関して、準備をしていくでしょう。
そして、その情報はなかなか見つけるのが難しいのです。
それなら、このサロンに情報を集めて、いろいろと選んで考えられるようにしたいと決めました。
いよいよ「エピローグサロン光の庭」の、構想がまとまってきました。
<エピローグサロンをつくる その3>につづく